WordPress テーマ・プラグインの有償無償と再配布
GPLライセンスについて
感じていること、私見を述べさせていただきます
テーマやプラグインの再配布がときどき問題になります
問題になることはよいのですが、考え方に思うことがあります
WordPressはGPLライセンスです
WordPressとGPLライセンス 基本的な考え方
WordPressのライセンスはGPLです
GPLのライセンスの基本的な考え方は「自由」だと思います
そして、もうひとつ、GPLのソフトウェアを利用して開発し配布するソフトウェアはGPLにしないとならないということです
自由を制限しないことという条件で自由に利用できるものなので、自由を制限せずに配布しないとならない
有償でも無償でもどちらでも自由にしてOKです
自由にしてくださいという宣言をして配布しているものだということだと思います
GPLライセンス あくまで自由 自由を制限してはいけない
あくまでも尊重しないとならないことは「自由」です
商用であろうが、有償でも、無償でも、自由を制限しないことを条件に、自由に使用しても良いですよというライセンスだというのが基本だと思います
モラルとか倫理や開発する人のモチベーションなどいろいろ考え方がありますが、そういったものからも自由を制限しないことというのがGPLライセンスだと思います
自由を最大限尊重することでソフトウェアを発展させていくという考えに基づいたライセンスがGPLだと思います
GPLライセンス WordPressに付属する権利
WordPressの更新版をインストールしたところ、WordPressの「自由について」が表示されました
GPLによる4つの自由が書かれていました
1.どんな目的に対してもプログラムを実行すること
2.プログラムの動作を研究し好みの仕様に変更すること
3.再配布すること
4.改変版の複製を他の人に頒布すること
そして、WordPress.orgでは100%GPLか同等のフリーのライセンスのプラグインやテーマを配布しており、別のところからプラグインやテーマを手に入れるならGPLかどうかを確認し、WordPressのライセンスを尊重していないのならお勧めしませんとも書かれています
ソフトウェアは自由であることが素晴らしい、利用する人も自由を尊重することに賛同して利用してくださいというのがGPLライセンス、Free Software Foundation、WordPressの考え方だと思います
これが、GPLライセンスのソフトウェアを利用するなら、尊重しないとならない考え方です
WordPress GPLライセンスとテーマ・プラグインの再配布と有償の議論
GPLライセンスの有償テーマ・有償プラグインの再配布
GPLのテーマ、GPLのプラグインは、有償で配布しても、無償で配布してもよいものですよね
そして、GPLで配布を受けた側も、有償で再配布しても、無償で再配布してもよいというのが、GPLの考え方
追加の開発で機能改善や追加など改変して再配布してもよいですし、そのまま何も手を加えずに再配布しても自由です
有償で配布されているものを、誰かが自由に無償で再配布しても自由
さらに無償で入手した人が、有償にして再配布しても自由
連絡承諾いっさい不要で自由
自由を制限するほうがGPLライセンスに反するというものではないでしょうか?
スプリットライセンスや有償サポートは有り
WordPressでは、テーマやプラグインは、ソフトウェア全部をGPLとして配布することが推奨されているようです
WordPressの管理画面から登録されているテーマやプラグインを検索してダウンロードして使えますが、登録される条件はオールGPLだということのようです
しかし、テーマやプラグインを、オールGPL、100%GPLとはしないというのは可能です
GPLのソフトウェアから開発した部分を配布するなら、その部分はGPLですが、それ以外はGPLにしないということが可能です
100%GPLにせずに、スプリットライセンスにして配布すれば、GPLでない部分までは自由は及ばないわけです
CSSやデザインなどなど、ソフトウェアのGPLの部分を元にせずに開発して、GPLとしないで配布したところには自由は及びませんという方法ですね
サポートは有償ですというのもOK
先々は、無償で再配布した人、無償で配布を受けた人が自分の力でなんとかしてくださいという方法で、力を借りたければお金を払ってくださいということ
GPLライセンス 再配布 では自由にやっても大丈夫?
GPLライセンス 再配布 自由にできるとは思います
GPLの有償のテーマやプラグインを誰かが勝手に再配布したことがときどき問題になります
そして、誰かが手間をかけて開発して有償で配布したものなのだからと、倫理やモラルや開発者のモチベーションを理由にした批判が起こります
でも、これにはずっと違和感を感じていました
倫理やモラルや開発者のモチベーションからも自由を制限してはいけないのがGPLであって、制限するならGPLのソフトウェアを使わないで開発するということではないかと
批判の矛先が違うのではないかと感じていました
GPLライセンス 再配布 自由ですが大丈夫とは言えないのでは?
GPLなら、有償にせよ、無償にせよ、誰かが開発したものを自由に再配布してもよいのですが、自由に再配布したり、自由に再配布している人から受け入れたりしても大丈夫なのかはしっかり考える必要があります
ちょっと試しに使ってみて継続して使うなら購入してよって、よく知っている人同士で融通し合うならまだしも、自由に再配布したり、再配布されたものを利用するというのは考えないとなりません
100%GPLではないソフトウェアの、GPLにしていない部分も配布してしまうのは、もちろん許諾されていないなら駄目です
WordPress.orgは100%GPLにすることを推奨していますが、GPLとは別に独自に作ったものをGPLにするかは作った人の自由だと思いますから、100%GPLではないものもあります
では100%GPLの場合はどうでしょう?
例えば、有償サポートのテーマやプラグインを再配布したなら、再配布した人も再配布を受けた人も、その後は何かが起きても基本的には作った人のサポートなしで、自分でなんとかしていかないとならないです
不具合が見つかったり、セキュリティホールがあっても、更新版がリリースされても、サポートしてもらえないかもしれないです
例えば、開発元以外のところから再配布されている場合、開発元と同じものではない可能性もあります
開発元のソフトウェアでは起こらないことが起こるかもしれないし、開発元に聞いても何も答えてはくれないかもしれないです
開発元やWordPress.orgからダウンロードせずに、他の再配布しているところから入手したものなんて、どんな改変がされているかわかりませんし、何かが起きたときに再配布した人に聞いても何もわからないとか、何も答えてくれないということもありえます
なんとかできる力量がなければどうしようもなくなることや、得体のしれないものの利用で何かが起こることも受け入れるのかということではないのでしょうか?
これもモラル・倫理の範疇かもしれないのですが、自由にやって自分でなんとかする自由はありますが、自分でなんとかできないことになるからやめときなさいということではないかと思います
WordPress.orgや開発元や正規代理店から入手したほうが、何かトラブルが起きたときに対処できる可能性は高いのです
「モラル・倫理に欠ける」というより「リテラシーが低い」のほうがしっくりくるかもしれないです
GPLライセンスの場合は、開発者が手間をかけて作って有償で配布するものなのだから開発者の権利を保護するために無断で再配布するのはモラル・倫理に反するというのは違うと思うのです
どうでしょう?
自由を最大限尊重することによって、そのソフトウェアが発展していくことを目指しているのがGPLライセンスだと思うのです